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迎春、少し胃腸を休めませんか?
2023.01.02 おすすめ記事

迎春、少し胃腸を休めませんか?

新年、明けましておめでとうございます。
今年一年のご愛顧を心よりお願い申し上げますとともに、みなさまにとりまして2023年が素晴らしい一年となりますようお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
さて、年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?色々な過ごし方をされたと思いますが、忘年会などのお付き合いやお正月のごちそう、お酒などで胃腸は疲れているかもしれません。そんな時期ですので、今回は胃腸をいたわる行事食をご紹介します。

三日とろろ

一つ目にご紹介するのは「三日とろろ」です。知らない方もいるかもしれませんが、東北や北関東、中部地方などで食べる風習があります。

三日とろろとは、お正月の1月3日に自然薯や長芋などの山芋をすりおろしてごはんにかけたり、とろろ汁などで食べるものをいいます。山芋は昔から滋養強壮効果があるといわれ、その年の健康を願うこと、とろろは長く伸びることから長寿を連想させる、縁起が良い、そういった理由から年初めの3日目に食べる風習ができたそうです。他にも、お正月のごちそうで疲れた胃腸をいたわるという目的もあるようで、色々な意味が込められています。

この三日とろろに使われている「山芋」、栄養価が高い食材の一つです。
山芋は食物繊維やカリウム、ビタミンB1などの栄養素を多く含みます。また、昔から滋養強壮効果があると言われています。夏場の食欲が低下した時にとろろごはんを食べて、夏バテ防止!とよく聞くと思いますが、食欲が落ちた時は揚げ物などより、さっぱりとした物の方が食べやすいですよね。お正月のごちそうを食べた後も同じように、さっぱりしたものを食べたくなると思います。特に麺やご飯だけの○○単品ですと、どうしても栄養が偏ってしまいます。そんな時、喉越しがよく滋養強壮効果がある「とろろ」は、おすすめなのです。

山芋の独特のぬめりには、胃腸を保護する働きがあり消化をサポートしてくれる役割があります。食物繊維は腸内環境を整えて、カリウムは体の中にある余分な塩分を外に排出する効果があるため、塩分が原因のむくみの場合はむくみを取り除いてくれます。ビタミンB1は、糖質を効率よくエネルギーに変えるのを助けてくれる他、疲労回復にも大切な役割があるビタミンです。FoodLibrary「運動後、疲労を次の日へ持ち越さないためには!」にはビタミンB1などの働きについて載せていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。

山芋にはこのような栄養素が含まれているため、年末年始の疲れた胃腸には最適というわけです。ちょっと食べ過ぎちゃった飲みすぎちゃったと思ったら「とろろ」をぜひ食べてみてください。

七草粥

二つ目にご紹介するのは「七草粥」です。無病息災を願って、1月7日に七草粥を食べます。こちらもお正月のご馳走で疲れた胃腸を休めるためという意味もあります。七草は「スズシロ、ナズナ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、ゴギョウ、セリ」があり、この七草は春に早く芽吹くことから邪気を払うといわれています。これらを食べることは、1年の無病息災を祈るという意味といわれています。

1月3日は「三日とろろ」、1月7日は「七草粥」、どちらの行事食も1年を健やかに過ごせるようにと、大切な深い意味が込められています。そして、お正月で疲れた胃腸をいたわる食となります。今年1年、健やかに過ごせるよう、季節を感じさせる行事食を取り入れてみてはいかがでしょうか?

ライター:山下 真澄

管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師