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運動後、疲労を次の日へ持ち越さないためには!
2022.11.21 おすすめ記事

運動後、疲労を次の日へ持ち越さないためには!

 みなさんは運動後にどのような形で疲労回復していますか?ゆっくり休む、食事をするなど様々な方法で疲労回復していると思います。運動後は次の日へ疲労を持ち越さないために、そして運動パフォーマンス向上にも素早く疲労回復する必要があります。

 運動をして筋肉を使うと、筋肉は疲労します。疲労の原因は、筋肉を動かすエネルギー不足や疲労物質の蓄積などによります。疲労を回復させるためには、栄養や睡眠をとると身体は回復していきます。

筋トレでは筋肉に激しい刺激を与えるため、筋肉が傷つきます。また、ランニングやサイクリングなど持久力を高める有酸素運動では、筋肉中のエネルギー源であるグリコーゲンが使われてエネルギー不足状態になります。両方ともそのままにしておくと、いつまでたっても疲労が抜けない、トレーニングについていけない、筋肉が痩せるなどと悪循環に陥ります。

悪循環へ陥らないようにするためには、速やかに栄養補給をして回復することが大切です。皆さんはいかがですか?トレーニング後、すぐに栄養補給ができていますか? 傷ついた筋肉は栄養補給することで再生し、次に強い刺激を与えるとより強い筋肉となります。この時に必要な栄養素は、特に「たんぱく質」です。またエネルギー不足になった筋肉へは「糖質」を補給して、エネルギーを回復させます。その他にも、体を回復させるためには必要な栄養素があり、朝、昼、夕の3回の食事をしっかり取ることが大切です。

疲労回復は食事のタイミングが鍵

空腹時間が長く続くと、回復力が低下します。運動後はエネルギー不足をおこしているため、速やかにごはんや麺、パン類などの糖質を多く含む食品を取りエネルギーを回復させることが疲労回復につながります。また、傷ついた筋肉を回復させるためには、筋肉の材料となる肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などのたんぱく質も同時に取りましょう。そこでベストな食品として、私はいつも「おにぎり」を選手へ薦めています。おにぎりは糖質を多く含み、具材の選び方次第ではしっかりたんぱく質を取ることができます。そして、片手で簡単に食べることができます。作ることも簡単です。コンビニやスーパーなどで手軽に入りやすいのもポイントです。運動後は補食としておにぎりを食べて、その後はバランスの良い食事を取りましょう!その後の食事がきちんと食べられるように、補食は食べ過ぎないことがポイントです。

疲労回復にはビタミンも一緒に取ること

疲労回復には糖質とたんぱく質だけを取ればよい、というわけではありません。糖質やたんぱく質を効率よく吸収させる手助けをしてくれるビタミンも一緒に取ることが大切です。特にビタミンB群がポイントです。ビタミンB群は、糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素が筋肉中のエネルギー源として使われる過程に必要な栄養素です。糖質を効率よくエネルギーに変えるのを助けてくれるのがビタミンB1です。このビタミンB1は疲労回復ビタミンとも言われる大切な栄養素です。運動をする人にとっては大切な栄養素の一つです。また、ビタミンB2は糖質と脂質の代謝、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関与しています。

ビタミンB₁糖質の代謝・疲労回復豚肉・玄米・大麦・雑穀・大豆製品など
ビタミンB₂糖質と脂質の代謝牛乳・豚レバー・うなぎ・卵・のりなど
ビタミンB₆たんぱく質の代謝まぐろ・かつお・鯖・ささみ・バナナなど

運動後、なかなか食欲が出ない時

運動後、食欲がある人、食欲がない人とそれぞれです。食欲がある人はよいですが、食欲がなくすぐに食べることができない人には、果物や果物ジュース、牛乳など、のど越しがよく胃腸を通りやすいものを選びましょう。他には、運動後の食事では、野菜や芋、豆腐や豚肉などをいれた具沢山な味噌汁はいかがでしょうか?味噌汁やスープなら消化が良く、口当たりもよいため食べやすいですね。蒸し物や煮物にするなどと、調理方法も工夫すると良いでしょう。

まとめになりますが、疲労回復には速やかに栄養補給を心掛けることが大切です。そして、バランスの良い食事を取りましょう。運動後は、たくさん汗をかいていますので水分補給も忘れずに!水分補給はアルコールでは脱水を起こしてしまうので、逆効果ですので注意してくださいね!疲れた体をしっかり休めるため、睡眠は欠かせません。運動後はバランス良く栄養を取り、体を休めることが大切です。

ライター:山下 真澄

管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師