食の検定 食検

食検 フードライブラリー
正しい手洗い、できていますか?
2022.08.08 食と健康

正しい手洗い、できていますか?

手洗い、日常で行う回数が多く、つい疎かになってしまう事があるかもしれません。しかし、手洗いの意義をしっかり理解すると、自分で考え、積極的に手洗いするようになるのではないでしょうか。
まずは、自分の手洗いがしっかりできているか、チェックしていきましょう。

感染防止の正しい手洗いチェック

 -衛生的手洗い編ー

 石けん液を使っていますか
 石けん液をしっかり泡立てていますか
 30秒間石けん液で手洗いしていますか
 手洗いの後、しっかり水気を拭っていますか
 手洗い後、アルコール消毒液を噴霧していますか
 手のシワを広げて両手に噴霧していますか
 噴霧した後、しっかり両手にすり込んでいますか

チェックしてみていかがでしたか?
全部できている!と自信を持てなかった方は、手洗いが何故大切なのかを把握して、改めて正しい手洗い方法を身につけていきましょう。

目に見えないからこそ、手順を守ろう

家の中や外どこにでも、目に見えない菌が存在しています。この見えない存在を、日常の生活の中で知らないうちに私達は、もち込んだり、もち出したり、広げたりしています。

例えば、卵を触ったらサルモネラ菌の付着の可能性、トイレの後には大腸菌などの付着の可能性があり、スマホは1日のあらゆる場面で触る回数が多いため雑菌が繁殖しやすく、かなり汚いのです。
油汚れはそもそも菌の栄養になり増殖する要因のひとつ、手で操作するスマホには手の脂が付着し、さらに通話すると顔の脂や唾がつくこともあり得るので、それらも菌の栄養となり増殖します。

周りを見ていて気になるのが、外から帰ってきたら手は洗うけど、スマホは除菌しますか?除菌していないスマホを食卓の片隅に置いて、食事中に操作し、その手でパンや枝豆やスナック菓子を食べている姿を見ると末恐ろしいのです。
手洗いのタイミングもかなり重要で、食中毒予防についてはリンク先の記事をご覧ください。
夏の食中毒予防 つけない!増やさない!やっつける!

基本的に手洗いでかなりの感染防止になる

感染を起こすルートは、以下の3つがあります。

「経口感染」:口から食べ物とともに感染する
「飛沫感染(空気感染)」:くしゃみや咳とともに見えない小さな粒子となって排出された病原体が鼻や口から感染する
「接触感染」:汚染された物に触って感染する

様々な感染経路がありますが、基本的には手洗いでかなり感染が防げるといわれています。特に、接触感染や経口感染の予防には欠かせないことです。

「衛生的手洗い」を身につけて感染や食中毒のリスクを回避

手洗いには「日常手洗い」「衛生的手洗い」「手術時手洗い」があり、TPOに合わせて使い分けられています。
「衛生的手洗い」は、食品を取り扱う仕事や、医療、福祉に関係する仕事をする人に必要な手洗い方法で、洗って、ふいて、消毒まで行い、感染予防や食中毒予防のために、通過菌をすべて除去することを目的としています。「日常手洗い」は一般的に日常生活のなかで行われる手洗いのことをいい、「手術時手洗い」は最も高い水準が求められ、医師や看護師が手術前に行う手洗いです。

石けん液による日常手洗いでも、正しい手洗い方法を行えば菌を減らすことはできますが、手洗い時間が短くなりがちで、見た目に汚れがないとどうしても疎かになりがちです。アルコール消毒液は、短時間で細菌からウイルスまで幅広い微生物に有効で、通過菌に対する効果が優れています。石けん液だけの手洗いでは落としきれずに残った微生物も、アルコール消毒液により除去できます。

衛生的手洗い方法

1.水で手を濡らす。

2.石けん液を泡立ててしっかり30秒間洗う。
 ※しっかり→手の甲、指の間、親指の付け根、手のひら、指先、手首

3.流水で泡や汚れをよく流す。

4.水気をしっかり拭く。

5.アルコール消毒液を両手に噴霧する。

6.手にアルコール消毒液をしっかりとすり込む。
 ※と同じ手順で行う。

\衛生的手洗いのポイントは、冒頭のチェック項目/

 石けん液を使っていますか
 石けん液をしっかり泡立てていますか
 30秒間石けん液で手洗いしていますか
 手洗いの後、しっかり水気を拭っていますか
 手洗い後、アルコール消毒液を噴霧していますか
 手のシワを広げて両手に噴霧していますか
 噴霧した後、しっかり両手にすり込んでいますか

泡立てることで、手全体や手のしわなどに石けん液が行き渡り、しっかり洗うには30秒必要で、アルコール効果をきちんと得るために手の水気はしっかり拭き取ることが重要です。アルコール消毒は、せっけん液で除去できなかったシワの奥の菌を殺菌するため、しっかり手にすり込むことが必要です。

目に見えないこそ、手順を守って手洗いすることが大切です。
微生物の存在を意識して、TPOに合わせた手洗いを実践できる人が一人でも増えたらと願います。