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血糖値スパイクとは?
2025.12.09 おすすめ記事

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後血糖値が一時的に急激に上がり、すぐに正常に戻る現象のこと。この血糖値の乱高下を繰り返していると、血管がダメージを受けてしまいます。今回は血糖値スパイクについてお話しします。 

血糖値とは 

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のこと。私たちは生きていくためのエネルギー源としてブドウ糖を利用しています。そのブドウ糖の原料は炭水化物などです。炭水化物は消化管でブドウ糖に分解・吸収され、血液によって全身に運ばれます。本来、ブドウ糖は一定のレベルに保たれるようになっていますが、過剰になるとグリコーゲン(ブドウ糖が結合した多糖類)に合成され、肝臓や筋肉に蓄えられます。 

食事を摂ると血糖値が上昇し、膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されて、ブドウ糖は体の細胞に取り込まれ、エネルギー源として使われます。 

血糖値スパイクとは 

 健常な方の空腹時血糖値は70-110mg/dL程度で、食事をしてもインスリンがしっかり働き、血糖値が140mg/dL以上に急激に上がることはありません。血糖値の波は緩やかです。 

しかし、膵臓の老化によりインスリンの分泌能力が低下したり、肥満などによりインスリンの効きが悪くなったり、分泌するタイミングが遅くなってしまったりなど、インスリンの効きが悪い人や働きが十分でない人の場合は、食後血糖値が140mg/dL以上に急激に上がってしまうことがあります。 

血糖値が急激に上がると、細胞がブドウ糖を取り込むことができずにインスリンが大量に出るため、インスリンの分泌が過剰になり、今度はその反動で一気に血糖値が下がります。 

この血糖値の波が大きくなってしまう血糖値スパイク現象が続くと、血管がダメージを受けて動脈硬化を引き起こし、いずれ心筋梗塞や脳梗塞、認知症、悪性腫瘍などの病気になるリスクを高めてしまいます。 

健診時には、空腹時血糖やHbA1cの値は基準値であることが多く、血糖値スパイクは見逃されやすいので注意が必要です。 

血糖値スパイクを防ぐには・・・ 

 血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴として、炭水化物の摂りすぎや欠食、早食い、ドカ食い、睡眠不足、運動不足などがあげられます。症状としては、眠気やだるさ、頭痛などを感じることがあります。 

 血糖値スパイクを防ぐためのポイントは。 

  1. 3食規則正しく食べて、血糖値の乱高下を防ぎましょう 

1食でも欠食してしまうことで、血糖値が乱れやすくなります。 

  1. ゆっくりよく噛んで食べましょう 

早食いすると血糖値が急激に上昇しやすくなり、食べすぎの原因にもなります。「ながら食べ」をしない、柔らかいものばかり食べないといった工夫も必要です。 

  1. 炭水化物の摂りすぎには気をつけましょう 

炭水化物が多いものは、血糖値が上昇しやすいことを肝に銘じます。ラーメン+チャーハン、おにぎり+うどんなど、炭水化物が過多になるような食べ合わせはしないように注意して、野菜やたんぱく質のおかずを組み合わせること。また、血糖値の上昇を抑制してくれる食物繊維が多く含まれているものを意識して摂るのもおすすめです。特に水溶性食物繊維は血糖値だけではなく、コレステロールの上昇も抑制してくれます。間食や甘い飲み物などは控え、野菜やきのこ、海藻、大麦、雑穀などを積極的に取り入れるといいでしょう。 

  1. 食べる順番に気をつけましょう 

炭水化物の多いものから食べ始めると、血糖値が急激に上昇します。野菜から食べる「ベジファースト」にすることで、血糖値を緩やかに上げ、食べすぎも予防できます。野菜→肉や魚などのたんぱく質→ご飯などの炭水化物という順番にするといいでしょう。 

  1. 適度な運動をし、適正体重を維持しましょう 

運動はインスリンの効きをよくしてくれます。また、運動によりブドウ糖の利用が促進されるため、血糖値の低下につながります。 

血糖値スパイクを防ぐためには「意識すること」が大事。知らないあいだに病魔に襲われていたなんてことのないように、日ごろの生活を振り返ってみましょう。 

【参考文献】 

・厚生労働省 健康日本21アクション支援システム〜健康づくりサポートネット〜 

「血糖値」 

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-085