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ビタミンの種類と働き③
2024.04.08 おすすめ記事

ビタミンの種類と働き③

前回に引き続き、ビタミンの役割についてお伝えします。今回はビタミンB群についてです。ビタミンBは体内のさまざまな代謝を円滑に行うために大切な栄養素であり、体づくりや筋力アップなどをサポートしています。

ビタミンB群の主な役割

 ビタミンB群には、ビタミンB1、B2、B6、B12とナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類があります。これらはみな水溶性ビタミンです。血液などの体液に溶け込んでいて、余分なものは尿として排出されてしまうので、不足しないように毎日意識して摂りたい栄養素です。

ビタミンBは、糖質や脂質、たんぱく質の代謝の補酵素として働きます。

食べ物から栄養素と酸素を体内にとり込み、消化・吸収をしてエネルギーや体に必要なものを生み出し、体内で不要となった老廃物を外に出すことを代謝といいます。代謝にはさまざまな酵素が関わっていますが、酵素は単体では働くことができません。そのサポートをしているのが補酵素で、代謝をスムーズに行わせるという大切な役割があります。

つまり、ビタミンB群が不足してしまうと、体内で代謝がスムーズに行われなくなってしまいます。そのため、糖質、脂質、たんぱく質を摂るときは、ビタミンB群を一緒に摂ることが重要です。

【ビタミンB1】

 体を動かすために必要な糖質の代謝に欠かせない補酵素です。運動をしている人は糖質を効率よくエネルギーに変え、競技中に力を出すために必須といえます。また、エネルギー消費が多いため、ビタミンB1の消費量も多くなるため、意識して摂る必要があります。ほかの働きとしては、ブドウ糖からのエネルギー産生を助け、脳や神経の働きを正常に保ち、皮膚や粘膜の健康維持を助けています。

ビタミンB1が不足すると、糖質をエネルギーに変えにくくなり、だるさや疲れ、食欲が低下、イライラや集中力、記憶力の低下につながる場合もあります。不足が深刻になると糖質のエネルギーを必要とする脳や神経に影響を及ぼし、「脚気」という病気を招きます。脚気は昔、「国民病」ともいわれたものですが、それにはビタミンB1が多い玄米から白米が主食になり、ビタミンB1が不足したことが蔓延の原因と考えられています。さまざまな食材を食べることができる今では、脚気は劇的に少なくなっています。しかし、糖質の摂り過ぎやアルコールの多飲、偏食などが原因で、ビタミンB1不足になることもあります。

ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」ともいわれています。疲れたときには意識して摂るといいでしょう。過剰摂取による健康被害については報告がなく、心配することはありませんが、過度に摂ることは控えるほうがいいでしょう。

ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉や大豆製品、全粒穀物などがあります。ビタミンB1は熱に弱く、水に溶けやすいため、汁ごと食べることができる味噌汁やスープなどがおすすめです。また、アリシンという玉ねぎやネギ、ニンニク、ニラなどに多く含まれる成分と一緒に摂ると吸収率を上げることができます。例えば、玉ねぎをたっぷり入れた豚肉の生姜焼きは相性がよく、疲労回復が期待できますね。

◎ビタミンB1を多く含む食品

豚肉(ヒレ、もも)、真鯛、鰹、マグロ、絹ごし豆腐、枝豆、玄米、大麦 など

【ビタミンB2】

 糖質や脂質、たんぱく質の代謝に欠かせない補酵素で、すべてのエネルギー代謝に関わっています。特に脂質の代謝に不可欠です。そのため、油が多めの食事の方は意識したい栄養素です。ほかに、皮膚や粘膜、爪、髪などの細胞の再生などの健康維持に役立ち、成長促進に関わっています。

 ビタミンB2が不足すると、口内炎や舌炎、口角症、皮膚炎、成長障害などが起こる場合があります。逆に、過剰摂取による健康被害については報告がなく、心配することはありません。

 ビタミンB2を多く含む食品として、レバーやハツ、うなぎ、乳製品、卵などがあります。ビタミンB1とは逆に熱に強いので、比較的調理しやすく、普段の食生活でも摂りやすい食品に多く含まれています。

 

◎ビタミンB2を多く含む食品

レバー、ハツ、うなぎ、イワシ、鮭、鯖、卵、牛乳、チーズ、モロヘイヤ、ブロッコリー、ほうれん草、しめじ、アーモンド など

【ビタミンB6】

 たんぱく質の代謝に欠かせない補酵素です。たんぱく質は体の中でアミノ酸に分解され、人の体に必要なたんぱく質に再合成され筋肉や皮膚、細胞などの材料となります。そのアミノ酸の分解と再合成の両方をサポートしているのがビタミンB6です。丈夫な体づくりには欠かせない栄養素です。そのほかに、免疫機能を正常に維持することや赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどの合成を促進するなど多くのことを担っています。

 ビタミンB6が不足すると、手足の痺れ、むくみ、湿疹、痙攣、貧血、口角炎、舌炎、皮膚炎、免疫力低下、精神的不調などが起こる場合があります。過剰摂取分は水溶性なので排泄されますが、サプリメントなどで大量に摂った場合は、知覚神経障害や、シュウ酸腎臓結石などのリスクがあるので、注意が必要です。

 ビタミンB6を多く含む食品として、鰹やマグロ、鮭、赤身肉、鶏肉、バナナなどがあります。酸や光に弱いため、新鮮なものを選ぶといいでしょう。鰹やマグロならお刺身などで簡単に食べることができますね。

◎ビタミンB6を多く含む食品

鰹、マグロ、鮭、ヒレ肉、鶏肉(ささみ、レバーなど)、バナナ、パプリカ、さつまいも など

今回はビタミンBの働きと、ビタミンB群のなかからB1、B2、B6をご紹介しました。ビタミンB群はそれぞれ役割が決まっていて、エネルギー代謝には欠かせない補酵素です。いつもの食事に少し意識して取り入れてみてください。

【参考文献】

・e-ヘルスネット「ビタミン」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html

ライター:山下 真澄

管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師