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健康的な食生活の基本−毎日3食そしてバランスよく−
2022.11.07 おすすめ記事

健康的な食生活の基本−毎日3食そしてバランスよく−

「毎日3食バランスよく食事をしていますか?」
コロナ禍で生活や食環境がガラリと変わった人は多いのではないでしょうか。生活や食環境が変わったことで「運動不足になった」とネガティブな人、「食事を自分で作るようになり、バランス良い食生活になった」とポジティブな人、様々だと思います。あなたはどちらのタイプでしょうか?なかなかご自身の食生活を考える機会は少ないと思いますので、今回、ご自身の食生活を振り返りながら読んでいただけたらと思います。

さて、もう一度聞きます。なぜ、毎日3食食べているのでしょうか?このような問いに、なぜか?とじっくり考えたことはあるでしょうか。「お腹が空くから食べている」「小さい頃からの習慣だから」などと答える方が多いと思います。確かにそうですね。

実は、理由はいくつかあります。

「毎日3食食べる理由」

 ① 3食バランスよくとることで五大栄養素は役割を果たすことができるから
 ② 1食で食べられる量は限られ3食食べないとエネルギー不足になってしまうから
 ③ 体に蓄えることができない栄養素があるから    

などがあります。
それでは、ひとつひとつ細かく確認していきましょう。

3食バランスよくとることで五大栄養素は役割を果たすことができるから

まず、私たちの体は食べる物からできています。私たちは毎日食べ物を食べて、消化・吸収を行い、吸収された栄養素が生きていくために必要な物質へ変化し(代謝)体内で利用されることで、体が作られまた維持しています。ここで重要なのが五大栄養素。五大栄養素は糖質、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミンのことで、それぞれが体内で上手に役割を果たし、健康な体を成り立たせています。五大栄養素の役割は「動かす・つくる・整える」です。
次の事、家庭科の授業で習った事を覚えていますか?
 - 炭水化物、脂質 ⇒力や熱になる
 - たんぱく質 ⇒体を作る
 - ビタミン、ミネラル ⇒体の機能を維持し整える、他の栄養素のサポート役になる
これは基本であり、子どもから大人まで共通していえることになります。よく、食事相談を受ける中で「あまり食べてないのに太るんです・・・」と質問を受けることがあります。食事内容を確認すると、炭水化物に偏っていたり、欠食をしたりと、バランスが崩れた食生活を送っていたりします。それでは、栄養素が体でそれぞれの役割を果たすことができないため、脂肪を溜め込みやすくなっていることや、エネルギーを消費することができなくなっている場合があります。

みなさんの食事はいかがでしょうか?五大栄養素は多くても少なくても上手に役割を果たせません。バランスよく五大栄養素を取ることで役割を果たすことができ、健康な体を維持することができます。食べ方によって、健康を維持できることやその反対で健康を損ねることがあるということです。健康を損ねないためにもバランスよく栄養素を摂取したいですね。

バランスよく食事をとる基本は、食卓に「主食、主菜、副菜」が並ぶことが大切です。1日に色々な栄養素を取ることが大切なので、できれば1日に7〜10食品群を取れると良いですね。家庭科の授業ではこんな大切なことを学んでいたのかと、感じるのではないでしょうか?

1食で食べられる食事量は限られ、3食食べないとエネルギー不足になってしまうから

みなさんは1食で1日分の栄養素を補うことができますか?実はなかなか難しい事です。食べる量には限界があり、消化吸収の能力にも限界があります。そのため、1食で食べられる食事量は限られてしまい、1食では1日元気に生活するためにはエネルギー不足になってしまうため3食で補う必要があります。

体に蓄えることができない栄養素があるから 

栄養素は全て体に蓄えることができるかというと、そうではありません。中でも、筋肉の材料や体のもととなる「たんぱく質」は、溜めておくことができる量はごくわずかです。毎食補わないと、筋肉は痩せてしまう可能性が高くなります。また、炭水化物と一緒に取ることが大切です!上記でも書きましたが、炭水化物は体を動かすエネルギー源です。たんぱく質だけ取るような食事をすると、体を動かすエネルギー源が不足して、たんぱく質がその代わりとなってしまい、筋肉の材料ではなく体を動かす材料として使われてしまいます。たんぱく質が筋肉や体を作る材料になるためにも、五大栄養素を取れる献立にすることがとても大切です。朝ごはんを食べていない人はいませんか?朝からしっかり食事をとらないと、筋肉は痩せてしまっている可能性がありますよ!

ただし、例外もあります。

小さい頃は3食にプラスしておやつを食べていましたね。小さい頃は消化吸収の能力は体が小さい分、大人よりも少ないです。しかし、動く量は多いです。1食では食べられる量は限られているため、おやつを食べて補います。
また、アスリートは運動量が多いですよね。その分、エネルギー消費をしてしまうため、多くのエネルギーを摂取する必要があります。しかし、1食では食べられる量に限界があります。そのため3食+補食をとります。
他にも高齢者、体の機能が低下して食べられる量が少なくなってきた方なども同様です。

例外もありますが、基本的は3食を食べることが大前提!
私たちの体は食べる物からできています。健康で丈夫な体を作るためには、その食べる物をいかにバランスよく食べるかが大切です。基本は「毎日3食バランスよく食べること!」です。

ライター:山下 真澄

管理栄養士|日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士|
食育インストラクター|一級惣菜管理士|調理師