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食料自給率から未来の食を考えよう
2022.05.16 おすすめ記事

食料自給率から未来の食を考えよう

食料自給率とは

食料自給率とは、”国内の食料消費が国産でどの程度まかなえているのかを示す指標”です。
つまり、国内で食べる物全体の内、国内でどのくらい作っているかを示す割合のことです。

2020年度の食料自給率(カロリーベース)37%でした。これは1965年以降過去最低の記録で、先進国の中でも最低水準。食料自給率には生産額ベースの考えもあり、そちらでは67%でした。

食料自給率が低いとは、どういった意味なのか、考えていきましょう。
世界の異常気象や天候不順あるいは国際情勢など、何らかの理由によって輸入が途絶えてしてしまった時、私たち日本人の食生活は大きな影響を受けてしまいます。また、爆発的な世界の人口増加による地球規模での食料不足を懸念する声も上がっています。

日本は複数の国・地域と貿易をしているので、食料輸入の一部が途絶えたとしても完全に途絶える可能性は相当低いですし、地球規模での食料不足も今すぐに起こるわけではありません。だからとはいえ、このまま見過ごすと万が一に備えられません。食料自給率を向上させ、国としての体力を強化することは、これからの日本にはとても大事なことではないでしょうか。

政府は2025年には、カロリーベースで45%、生産額ベースで73%へ引き上げることを目標に掲げています。

カロリーベース -食料自給率37%-

食べ物のカロリー(=熱量)をベースに食料自給率を計算する方法。国民1人に1日で供給される“国産の食べ物”の熱量を、国民1人に1日で供給される“食べ物全体”の熱量で割り算します。日本で採用されている食料自給率です。

生産額ベース -食料自給率67%-

食べ物の価格をベースに、食料自給率を計算する方法。主要先進国をはじめ、国際的に主流となっている食料自給率です。

食料自給率が低くなった理由は戦後の食生活の変化

戦後直後の1946年度、日本の食料自給率は88%でした。ところが緩やかに下がり始め、平成に入ると50%を割り込み、2000年代は40%前後でほぼ横ばいに推移しています。
戦前は国内生産が主な米・野菜などを使った食事が中心でしたが、戦後の復興に伴い食生活が欧米風に変化していきました。国内生産が少なく、外国からの輸入頼りの小麦を使ったパン、飼料や原料の多くを輸入に頼る畜産物(肉類)や油脂類の消費が増加したのです。
日本の食料自給率の低下には、こうした“食生活の変化”が大きな影響を与えています。

品目別に考える食料自給率

”日本の食料自給率は37%” ”先進国の中でも最下位”と単純に考えるのではなく、食料自給率には様々な指標や見方があることを合わせて知る必要があります。

野菜

野菜は低カロリーなので、国産の割合が多いにも関わらず、カロリーベースの計算では食料自給率の増加にはあまり貢献しません。しかし、生産額ベースでは野菜の割合は全体の20%を超えており、食料自給率の増加に大きく貢献しています。

畜産物

畜産に向けた飼料が国産でどのくらいまかなえているのかを見る飼料自給率という指標があります。畜産物は、輸入飼料を多く用いて生産している実態があり、そういったものは食料自給率では国産から除外されます。それゆえ畜産物の食料自給率は低い値となっています。そこで飼料が国産か輸入かに関わらず、畜産業の活動を反映し、国内生産状況を評価するため「食料国産率」という指標ができました。食料自給率と食料国産率を比較する以下のようになります。

       食料自給率%:食料国産率% ※2020年度カロリーベース
 畜産物>> 16%:63%
  牛肉>> 11%:43%
  豚肉>>  6%:50%
  鶏肉>>  8%:66%
  鶏卵>> 12%:97%
  牛乳>> 26%:61%

いずれも大きな差があり、畜産物は飼料自給率が大きく影響していることが分かります。政府は、輸入畜産物から国産畜産物への置き換えや、国産畜産物の輸出量の増加に加え、飼料自給率の向上も取り組み目標として掲げています。2018年度の飼料自給率25%に対し、2030年度へ向けて飼料自給率34%を目標としています。

私たちができる食料自給率向上とは

ご飯を主食にする

ご飯の食料自給率は、ほぼ100%!米を主食にするだけで、食料自給率がアップします。パン、麺などの原料である小麦の食料自給率は15%前後なので、ご飯を食べる頻度が高くなるだけで貢献度が上がってきます。

肉より魚を主菜に

家畜は飼料を輸入に頼っている影響で食料自給率がかなり低くく、それに比べ魚介類は輸入量はあるものの食料自給率ははるかに高いです。サーモン、えびなど輸入に頼る食材もありますが、鮮魚には産地が表示されているので、気にしてみてはいかがでしょうか。

副菜には、地域で採れた野菜を使う

野菜の2020年度生産額ベースの食料自給率は90%と高水準ですが、地産地消を心掛けることで地元の農業の振興に役立ち、地域経済の発展にもつながっていきます。また地産地消は、遠隔地に輸送するための燃料も少なくすむことから環境にもやさしくなります。輸入品でないとなかなか手に入らない食材もありますが、状況に応じて上手に選択してみてください。

参考:農林水産省「令和2年度食料自給率について」
   農林水産省「食事バランスガイドから考える食料自給率」