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時間栄養学とは
2022.04.25 おすすめ記事

時間栄養学とは

時間栄養学とは

時間栄養学とは、”いつ” どのような食べ物を摂ることが身体によいのか、という考えを栄養学に取り入れた新しい学問です。私たちの身体には「体内時計」が存在することが最近の研究で明らかになりました。この体内時計のリズムに従って生活することが健康の秘訣であることも分かってきています。

体内時計とは

「朝、日の出とともに目覚め、昼は活動し、日の入りとともに身体を休め眠りにつく」それが体内時計の基本的なリズムです。この体内時計が狂うと、睡眠障害、うつ病、肥満、糖尿病などの代謝障害や、免疫・アレルギー疾患、さらにがんの発症にもつながることが分かってきています。できる限り日々規則正しく、同じ時間に起きて寝て、同じ時間帯に食事を摂ることが、元気に健康に生活を送るカギとなります。

体内時計を毎日リセットすることが健康の秘訣

体内時計の周期は1日24.5時間。地球上の1日は約24時間なので、約0.5時間のズレがありますね。このズレを日々修正しないと、リズムが崩れて身体が良い調子で動いていきません。

人の体内時計のリズムは、眠りのホルモンと言われるメラトニンが調整しています。このホルモンを出す出さないの指示をするのが、脳にある「視交叉上核」(親時計)。視交叉上核は、朝日を浴びるとメラトニンの分泌を止める指示をして、体内時計をリセットし、活動する方向へ促します。そして、末梢臓器である肺、肝臓、腎臓、心臓、筋肉などにも体内時計(子時計)が存在していることがわかっています。これらは、朝食を摂る事によって活動指示を与え、体内時計をリセットしています。

体内時計のリセットには「朝日」と「朝食」が必要

私たちの体内時計を地球上の1日約24時間の周期へ合わせるために、「朝日」と「朝食」の刺激で体内時計を日々リセットしていることをお話ししました。脳の視交叉上核にある親時計は、目(網膜)を通して入ってきた朝の光を受けて「朝になった」と認識し、それに対し末梢臓器などにある子時計は、明暗に関係なく朝食によって動き出します。この親時計と子時計は、一緒に活動し始めないと身体の中で時差ボケが生じてしまうので、朝起きたら食事を摂ることが重要となるのです。朝食は、朝日を浴びて1時間以内に食事を摂ると良いとされています。

朝食は、炭水化物と”たんぱく質”をしっかり摂ろう

時間栄養学の観点から見ると、朝は体内時計を動かす食材を優先して摂ることが大切です。朝食の内容は主食・主菜・副菜を揃えると、代謝が上がりやすくなります。日本人は朝のたんぱく質の摂取量が不足している傾向にあるので、特に意識して摂取しましょう。

参考資料:「糖尿病専門病院が教える 日本で一番おいしい食べ方(医療法人社団 正名会 池田病院)」