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年度末に向けて集中力を高める食事・睡眠
2026.02.09 おすすめ記事

年度末に向けて集中力を高める食事・睡眠

年度末には何かと忙しく、疲れが溜まって集中力が低下しがちです。今回は、忙しい年度末を乗り切るために、集中力を高める食事と睡眠のポイントについてお伝えします。 

集中力のカギ①食事 

 脳のほぼ唯一のエネルギー源であるブドウ糖が不足すると、集中力の低下につながります。ブドウ糖は、ご飯や麺類などの炭水化物が消化吸収・分解される過程で生成されます。つまり、脳のエネルギー源は主に主食から得られているわけですから、欠食は禁物です。 

ブドウ糖がエネルギーをつくる際に必要なビタミンB1も欠かせません。ビタミンB1は豚肉や玄米、大豆製品などに多く含まれています。特に朝食からしっかり摂ることで、集中力の維持につながります。 

ほかには、レシチンやチロシンも不足すると、集中力、記憶力の低下につながります。レシチンは、脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの材料で、卵黄や大豆製品に含まれています。チロシンは、集中力に関係するドーパミンやノルアドレナリンの材料で、乳製品や大豆製品に多く含まれています。  

 血糖値の急上昇を避けることも大切です。食事を摂ると血糖値は上がり、膵臓からインスリンが分泌されて下がり、一定に保たれるようにできています。しかし、食事を抜いたり、ドカ食いをしたり、早食いなどをすると血糖値が急激に上下します。例えば、食事を抜くと脳のエネルギー不足に加えて血糖値が下がり、その後、高糖質のものを食べると血糖値が急激に上昇してインスリンが大量に分泌され、一気に血糖値が下がります。この乱高下が集中力の低下につながります。 

集中力を保つためには、欠食をしないこと、食物繊維の多いものを意識して摂り、ゆっくりよく噛んで食べることを心がけてください。 

集中力のカギ睡眠 

 集中力を高めるために、まずは生活習慣を振り返ってみてください。 

睡眠はしっかりとれていますか?  

脳の前頭前野は「考える」「判断する」「記憶する」「感情をコントロールする」「集中する」などの働きを担っていますが、睡眠が十分でないと、認知機能が低下し、仕事や勉強のパフォーマンスに影響します。 

睡眠は、脳や体の疲労回復、免疫機能の向上、健康維持、成長、記憶の固定、感情の整理など、心身のメンテナンスに不可欠です。したがって、睡眠が不足すると、疲れが翌日に持ち越され、判断力や注意力、記憶力の低下を招き、結果的に集中力が落ちてしまいます。さらに、血糖値の乱れや食欲を抑える「レプチン」というホルモンが減少することで食欲が増加し、肥満のリスクにもつながります。 

睡眠の質を高めるためには、起床したらすぐに朝日を浴びること。すると、しあわせホルモンのセロトニンが分泌されて覚醒が促されるのですが、それは夜になると睡眠を促すメラトニンの材料になるからです。このメラトニンの分泌の抑制に関係するのが、スマホやパソコンなどのブルーライト。したがって、寝る前にはスマホなどの光を過度に浴びないことが大切です。 

そして、入浴は寝る1〜2時間前までに済ませること、アルコールは眠りを浅くするので深酒はしないこと、カフェインは控えてハーブティーなどにすることをおすすめします。 

水分補給も忘れずに! 

冬は空気が乾燥しているうえ、室内も暖房でカラカラ状態になりがちです。そのわりには、夏ほどこまめに水分補給をしないので、冬でも脱水気味になってしまいます。水分不足もまた集中力、思考力の低下につながります。冬でもこまめに水分を補給すること。体を冷やしたくないなら、温かいスープなどで水分を摂りつつ体を温めると、気分もほっこりリラックスして、脳の緊張をほぐすこともできます。 

忙しさに取り紛れがちな時期にこそ、食事や睡眠に意識を向けるのがあなたの味方になります。 

【参考文献】 

・糖代謝における睡眠の重要性 慶應保健研究.2019;37(1):023-028 

https://www.hcc.keio.ac.jp/ja/research/asetts/files/37-3.pdf?content_id=58