推進委員会 鹿児島支部
 食の検定は、食育の普及を目的に誕生した民間資格です。食の中でも基盤である"農"に焦点をあて、食農の現場に関わる企業が集まり、大学教授等の協力を得て資格試験の設立を行って参りました。知名度の一切ない、私たち協会。そのPRにおいては、企業訪問やイベント出展を通して、一社一社、一人ひとりに設立主旨を伝えていく…そんな活動を通して、一社、二社、一人、二人と、地道に賛同の輪を広げて参りました。
 協会設立から1年半、第1回検定試験の実績を経て、食の検定が、ひとつのまとまった動きを起そうとしています。農業算出額全国4位、国内有数の農業県である鹿児島で、2007年9月に発足した『食の検定推進委員会 鹿児島支部』。JA鹿児島経済連農産事業部長・桐良幸氏が旗振り役となり、業種の枠を超えてボランティアで集まってくださった方々が、普及推進に努めてくださるというもの。今回、鹿児島支部の発足経緯と、活動の様子を取材させていただきました。

推進委員会 鹿児島支部発足の要旨

 食の検定推進委員会 鹿児島支部発足会は、9月6日にJA鹿児島経済連で行なわれました。参加してくださったのは、研究者や青果市場、スーパーや食品メーカー、県薬剤師会・学校給食会など、鹿児島で食に携わる14業種34名の皆さん。ご挨拶いただいたJA鹿児島経済連の秋葉常務は、「ここ数年、食に関する状況が様変わりしています。バイオエタノールの誕生による食料―熱原料間での作物の奪い合い、温暖化による国際的な生産環境の異変、ロシア・中国・インド等の経済発展など世界的な食料争奪の状況の中で、国内に目を向ければ、大量の米余り、そして医療費30兆円の現状。経済連としては、消費者一人ひとりの食に関する関心を高め、生産現場を守るための活動を展開してきましたが、"食育を通じて日本の食を守りたい"という同じ理念を持つ食の検定協会の存在を知り、ボランティアとして推進協力するに至った」とおっしゃいます。また、県を代表する食育推進者である鹿児島女子短期大学の福司山教授は、学生たちに触れるなかで、家庭内調理の減少を憂いているそう。「栄養学を学ぶ生徒にあっても、"しいたけをもどして"と頼むと、戸棚に片付けようとする現状。私の持論は、食育で何より大切なのは『台所教育』。家庭で作って食べるという当たり前のことを行えるようにしていくことが大切です。家庭の主婦をはじめ大人を対象にする食の検定は、そのきっかけを提供し、理論を学ぶ上で共感できるもの」と語ってくださいました。
 今回、鹿児島支部の発起人となってくださったJA鹿児島経済連の桐部長は、園芸事業部そして農産部の部長を歴任されてきた方。青果物そして米の現場に触れる中で、食育の必要性を痛感。様々な食育活動の普及支援に取り組んでいる方です。「意義のある食育活動は、一つに肩入れせず応援していきたいと思います。食の検定も、誰もが受けやすい価格帯で展開するという営利目的ではない考え方に共感しています。食育が国民運動となるために、食の検定の認知が高まることを願っています」。

推進委員会発足から1ヵ月。鹿児島県内での活動がスタートしています。
市場の仕事に誇りを

 
 鹿児島県には鹿児島青果と鹿児島中央青果の二つの市場があります。今回、推進委員会鹿児島支部には、両者の市場さんからも参加してくださっています。
 その一つ、鹿児島中央青果の中馬専務にお話を伺ってみました。「食の検定を社員教育として取り入れようと、社員全員の受験を推進しています。産直やネット販売の普及で流通、青果市場の存在が問われる今日、社員全員が青果市場の役割を再認識し、誇りをもって働いてほしいからです」と中馬専務は言います。
 ところで、青果市場がなくなったら、なんて考えたことがありますか?たとえば、時期によってキャベツの採れる産地は異なります。個人で産地から直接購入するとなると、1玉のキャベツを買うために、今どこが産地なのか確認し、注文しなければなりません。一年中キャベツがスーパーなどで手に入るのは、青果市場が全国からキャベツを仕入れているからです。私たちが、季節を問わずキャベツを食べることができるのは、青果市場があってこそだということ、気がついていましたか?消費者が青果市場の役割を認識するだけではなく、青果市場で働く人たちも役割を再認識するのも必要になってきているのかもしれません。

食の検定ショッピング・キャンペーンスタート

 
 鹿児島・宮崎県内に85店舗をかまえるスーパーのタイヨーさんでは、10月1日から全店舗で「食の検定ショッピング」と題し、キャンペーンを展開し、消費者への食育に接する機会の提供および食の検定のPRに努めてくださっています。内容は、作物の栄養や食べ方、食農の問題など12問のクイズを店内の各売り場に設置。例えば、納豆売り場には「タタミ1畳の面積の畑で、納豆何パックの大豆がとれるでしょう」という問題があり買い物途中の方の足をとめさせていました。
 なぜ、このようなキャンペーンにご協力いただけるようになったのか、タイヨーの伊島部長代理にうかがいました。
 タイヨーさんは、「鹿児島の食農教育を考える会」を独自に立ち上げているそう。活動内容は地域の子どもたちへの食農教育を応援すること。実際に地域の小学校へ大豆など種まきから収穫までの農業体験の場を提供しているそうです。また、鹿児島の第一次産業を守りたいと農家さんより安定した価格で仕入れができるような仕組みづくりに取り組んでいるそう。独自に食農活動をするタイヨーさんが食の検定に共感してくださったのです。その他のメンバーの皆さんももちろん、食の検定の普及に努めてくださっています。「一度殺しても二度殺すな」。タイヨーさんで聞いた印象的なことばです。農作物は一度わたしたちの食料となるために殺されます。それが廃棄されることが二度殺すということ。命の大切さを表すことばです。食べ物をいただくとき、思い出してください。
私たち食の検定協会は、鹿児島支部をきっかけに、全国でこのような 推進委員会が設立されることを願い、活動に力を入れて参ります。

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